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 昔は、今のように病気になっても簡単に医者にかかることができず、また医療技術も発達していませんでした。 そこで、庶民は民間信仰によって病気を封じ、健康を願いました。その信仰の対象となった小さな神や仏が町内に数多くあります。
 広く知られているものに、伯耆一ノ宮倭文神社の安産岩があり、硬貨で削った石粉を妊婦が服用すると安産できるそうです。
 ここで狭い地域でしか知られていない、小さな神仏を紹介しましょう。

○夜泣き…藤津にある、胞衣荒神。俗に夜泣き荒神と呼ばれる祠があります。子どもの夜泣き、かんの虫に効果があるといわれています。

○いぼとり…方地、白石、野方にあり、「いぼ神さん」と呼ばれています。五輪塔などの石造物で、「いぼいぼ渡れ、金のはし渡れ」と唱え、いぼを五輪塔に移す仕草をします。 野方では、石の窪みに溜った水をいぼに付け、「たいさ、たいさ、のプッリーュチ、がなは」というように童謡を逆に歌います。門田には、「いぼ地蔵」と呼ばれる地蔵像があります。

○耳の病気…久見、川上にあり、「耳神さん」と呼ばれています。両方とも塞ノ神を祀り、耳の病気を治す神とされています。久見では「みみろくさん」とも言い祠の中に耳に似た小石が置かれています。
 川上では古墳の石室の中に祠があり、椀の穴のあいたものが供えられていました。耳がよく聞こえるように願ったものです。そばにシイの古木があって、古いわらじがくくりつけられていました。

 他にもまだありますが、次号で紹介したいと思います。

 東郷町文化財保護委員 
長和田 土井吉人


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